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私は北海道札幌市に生まれ、岩手医科大学歯学部へ入学し歯科医師免許を取得しました。親が医療系だったため、その後ろ姿を見ていて自然と医療系を目指していましたね。その後、札幌医科大学の歯科口腔外科へ研修医として勤めました。口腔外科はお口以外の全身を含めた患者さんの状態を見る機会も多く、歯の治療に伴うカラダ全体の影響について勉強しました。
今から2〜3年前に歯科医の親戚から、これからインプラント治療が重要だよと言われて学会へ所属し本格的にインプラントや銀歯といった補綴学(ほてつ)学の勉強を始めました。インプラントは歯がない患者さんに効果的な治療ではありますが、あくまで入れ歯やブリッジなどの治療の一端です。2021年9月に現在の石川デンタルオフィスを石狩市に開業し、インプラントを数症例経験したものの、その3倍ほどの患者さんが入れ歯を入れています。費用がどうしても高くなってしまうので、患者さんの状態や年齢、コストパフォーマンスを考えて最終的には患者さんに選択いただくようにしています。
名医の条件は1つこれ、とは言い難いですが、納得できるような治療説明を受けられれば患者様は安心だと思います。「インプラント治療しかない」という言い方だけではなく、選択肢としては組みつつ、隣に正常な歯があればブリッジや入れ歯という選択肢もありますし、患者さんの権利を完全に尊重するなら、教科書的には思い切って経過観察という手もあります。さまざまな治療法のメリット、デメリットをきちんと教えてもらえることはとても重要ですね。
今やホームページで先生の実績や経歴などを確認して、気になった歯科へ足を運ぶことが多いと思います。こうした選択の仕方も大事ですが、その先生が時間をかけて丁寧に説明してくれる方であれば信用できるのではないでしょうか?
正直、歯科医の顔だけ見ても腕は分からないと思うのです。歯科用CTなど治療に必要な設備があるかどうかなど情報収集はそこそこに、まずは説明を聞きに行って歯科医の説明が誠実であるかどうか?患者である自分自身の要望を汲み取ってもらえるか?ご自身で聞いていただくことが腕のいいインプラント歯科を探す早道であると考えます。
インプラントを含めてどういった治療が選択できるのか、そしてどのような治療を勧めてくれるのかお話ししていただける歯科医院を選択します。歯科ですと見方が専門的になってしまうのですが、例えば私が内科に行って、「あなたにはこれしか治療法がないよ」と言われたら、何となく納得はしても、本当に他に治療法ないのかな?と思ってしまう気がします。特に歯科だと費用が大きくかかる治療法もあるので、ベストは伝えて頂きたいですが、それ以外にも選択肢があり、メリットとデメリットが明確になると選びやすいと思います。
残念ですが少なからず差は出ると思います。ただ歯医者の職業柄ある程度は仕方ない面があります。手先の器用さや経験数によって、人によって出来栄えは多少違ってきます。ホームページや広告を見ると、インプラント経験が何千本とあります!と打ち出している医院もありますが、確かにどんなことも多数こなせば能力向上には繋がっていると思います。
他にも、腕だけではなく設備の面でも歯科用CTと言って、インプラントの精度を高められる機械がありますが、取り扱える先生と扱ったことがないという先生がいます。歯科用CTは解剖学的に、インプラントのリスクとなる骨の形や硬さ、血管の状態を三次元的に知ることができる技術で、インプラントを入れた時に起こりうるリスクを最小限にしてくれます。
先ほどお伝えした通り、治療の選択肢を複数提示してくれて、それぞれのメリット・デメリットを説明してくれれば信頼できると思います。
インプラントは手術を受けた後からご自身の歯と同じだと考えていただきたいです。インプラントも歯と似たように歯周病(インプラントはインプラント周囲炎)になります。炎症の進行具合は異なりますが、ケアを怠ればダメになるのは自分の歯もインプラントも同じということです。ご自身の歯も普段はセルフケアでしっかり歯を磨き、それで足りないから歯石をクリニックで取るのは一緒ですよね。インプラントの寿命を延ばしたいとお考えの方は出来るだけ細やかなアフターケアが必要です。
指導されたセルフケアをしっかり行うことと、定期的なプロフェッショナルケアを受けることです。私たちが本来持っている歯も、噛み合わせなどですり減ってはいきます。特にインプラントはタテの力だけではなく、ヨコへのチカラに弱いと言われています。こうしたお口の中の状態のモニタリングは、クリニックでしか出来ません。
ご自身の歯と同じで、調子が悪いと思ったら早めにかかっている歯科医に診てもらうことです。定期的なメンテナンスを忘れずに行うことはもちろん、ご自身がインプラントに感じた違和感があれば、そのまま放置せず早めに対応するようにしましょう。
基本的には歯を喪失してしまった方ですが、失った歯を補う治療は一つではありません。各治療法のメリット・デメリットをしっかり担当医に説明してもらい最善の治療法を考えるようにしましょう。費用面を考えなければ、インプラントは他の歯へのダメージなく歯を補えるため、年齢が若く初めて1本歯を失ったような方は、インプラントは良い選択肢だと思います。
ただし、全身的な疾患がある方はカラダの状態も吟味して治療しなければなりません。他にも、整形外科で骨粗鬆症の薬をもらっている方は種類によってリスクがあるものも存在しますので、手術に伴って発生するデメリットとメリットを確認し、できる限りリスクの少ない方法を検討するようにしましょう。
インプラントに限りませんが、治療をして食事が円滑にできるようになったと喜んでもらえることは多いですね。直近では40代の患者さんが多いのですが、今までの経験では30代の方でも口の中が虫歯だらけで、どこで噛んでるんだろうと疑問に思うくらいひどい状態の患者さんもいました。こうして食事が難しくなってしまった方が、ちゃんと自分の歯で噛んで食事ができるようになっていただくことは、歯医者にとってのやりがいでもあります。
当院はコロナ禍に開業した医院ですのでコロナ前後の変化はありませんが、コロナ禍の中でも患者さんは順調に増えていまして、大学病院から30名ほどひきついで診ておりますが、新規の患者さんも55名ほど来院いただいています。
また、感染予防に必要な衛生基準はあると思うのですが、もともと私が今の院を考えていた頃から衛生環境はこだわって設計しました。当院では治療中に使う口腔内バキュームというものがあります。歯を治療する時は歯石を取ったり、虫歯を削ったりする間にどうしても口の中の飛沫が飛んでしまうリスクがありますので、それらを吸い込む大きな掃除機を設置しています。全ての椅子にバキュームを設置し、治療の際は必要に応じてONにしています。また空気清浄機は医療用の最新機器で高性能フィルターがついたものを使用しています。
インプラントの検討をしている方は何かしらの原因で歯を失ってしまった方が多いと思います。保険適応外であるため治療費は高額ですが、改めて口腔インプラント治療は他の入れ歯やブリッジなどと比べてもとてもメリットのある治療です。
インプラントは長持ちさせるための術後のセルフケアも重要です。インプラントの歯周組織をダメにしないような丁寧なブラッシングをしたり、インプラント専用の歯ブラシや歯磨き粉など、担当医に教えてもらったことは実践し続けましょう。大変そうに聞こえるかもしれませんが、インプラントが始まったと言われる30年前に入れたインプラントが、今でも残っているという事例はあります。インプラントが永久に持つことはありませんが、メンテナンス次第では長期に使っていただけると考えて間違いありません。他の治療法ともあわせてしっかり吟味し、信頼できる先生とともにご納得いった上で治療に進むようにしていただければと思います。
【お読みください】
このサイトは、2019年6月の情報をもとに、インプラント治療が不安な方に向け東京都内のインプラント歯科を紹介しています。
※このサイトが定義する名医とは:
国内外のインプラント学会に属し、「指導医」「専門医」「認定医」に認定されている医師を取り上げています。
情報には正確性を期しておりますが、各治療の内容や費用の詳細、医療機関の最新の情報については、各公式サイトでご確認ください。
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【インプラント治療について】
・インプラントとは、基本的に無歯顎に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
術式や方法は口腔や骨の状態、希望によって異なります。
・副作用(リスク):手術が必要なため、痛み・腫れなど体へ・負担や感染症のリスクがある、全身疾患など持病がある場合対応できないことがあり、また治療費が高額となる可能性もあります。
・費用:1本あたり300,000円~400,000円(使う素材によって変わります)
・平均的な治療期間:6ヶ月前後
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「痛い」「怖い」イメージのあるインプラント治療ですが、現在は「体への負担やストレスを軽減する治療」も増えています。個人の状態によって可能な治療法は異なりますので、医師と相談する事をおすすめします。